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信大病院21C ハミング

信州がんセンターのご紹介

信州がんセンターのご紹介
包括的がん治療学講座(がんセンター科)麻酔蘇生学講座(麻酔科蘇生科)助教 信州大学緩和ケアチーム専従医師 坂本明之

 信州大学にがんセンターが設立されました。長野県は、がんセンター不在の県であり、古くから早期設立の声が多く聴かれましたが、たいへん永らくお待たせ致しました。

 当がんセンターが県民の皆様にご紹介すべき特長をご紹介します。我々の診療科は、一般的に腫瘍内科と呼ばれるカテゴリーに入ります(当院ではがんセンター科を名乗っています)。聞きなれない名前だとは思いますので、そちらからお話し致します。日本では、元来臓器別に診療科が区分されており、それぞれの臓器に発生したがんをそれぞれの臓器別診療科が診察しています。ところが、がんはどこの臓器からも発生します。また、がんは複数の臓器に発生(転移)してしまうことや、発生臓器がわからない原発不明がんと言われるものもあります。よって、がん治療は、臓器別の専門家が診療するよりも、抗がん剤治療の専門家が全身を診察し、施行した方が効率的で、安全に施行できる場合があると考えられます。更に、抗がん剤治療には強い副作用が現れることがあるため、副作用対策を熟知しておく必要があります。抗がん剤治療には高い専門性が要求され、腫瘍内科はその抗がん剤治療に詳しい医師団であると理解してください。
 しかし、「がん治療=手術」と思われる方も多いと思います。更に、放射線療法や、第四の抗がん治療として期待されている樹状細胞療法といった治療法もあります。我々はこのような治療が必要である方に対し、手術であれば外科と連携を取り、それぞれの専門家に適切にコーディネートを行います。また、中には各臓器に特異性の高いがんもあり、そのようながんは臓器別の専門家への紹介や連携を行います。我々はがんセンター科を名乗ってはおりますが、決して我々だけでがん治療を完結させようとしているわけではありません。広い意味では信州大学全体ががんセンターであり、患者さん一人一人が最も適切ながん治療が受けられるようにコーディネートすることも、我々の重要な任務のひとつであるというわけです。
 そのほかにも、腫瘍内科には大切な任務があります。残念なことに、がんは現在日本人の死亡原因1位であり、がんで亡くなってしまう方も大勢いらっしゃいます。例えば手術後の痛みであったり抗がん剤治療に伴う副作用であったり、身体的、精神的な様々な苦痛と共に患者さんは「がんと闘う」ことを長期に渡り強いられてしまいます。そのような "長患い" は決してがんだけに限ったことではありませんが、がん患者さんにおいて特に多く見受けられます。"長患い" に伴う様々な苦痛は、「がんと闘う」患者さんを体力、気力共に萎えさせてしまうため、苦痛を和らげる必要があります。この苦痛を和らげ生活の質を向上させる取り組みを「緩和ケア」と言います。多くの方が、緩和ケアと終末期ケアという言葉を混同しているところがありますが、緩和ケアとは長い治療の経過の中で、いついかなる時も必要とされるケアであり、決して亡くなる前数日間に施される終末期ケアを意味する言葉ではありません。「がんと闘う」間、少しでも苦痛を軽減しながら闘えるように、患者さんや患者家族を支えることが緩和ケアであると知ってください。この緩和ケアを切れ目なく提供できるところも当科の特長の一つです。このように横断的がん治療から緩和ケアまで行う診療科が一般的に腫瘍内科と呼ばれており、信州大学がんセンター科の担う役割でございます。

 信州大学がんセンターの特色がお分かりいただけましたでしょうか。私は緩和ケアの専門家です。その他に、放射線治療の専門家と、勿論化学療法の専門家が存在し、包括的にがん治療を行っております。今後とも、県民の皆様の期待にできるだけ応えられますように頑張っていく所存です。どうぞ宜しくお願い申し上げます。

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