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信大病院21C ハミング

ロボット支援腹腔鏡下手術について

図1 導入されたダビンチ・システム

図2 ロボットアーム

図3 第1例目の手術の様子

ロボット支援腹腔鏡下手術について
泌尿器科 石塚修、西沢理

 最近、外科領域で大変注目されている事のひとつは、ダビンチ・システムを使用したロボット支援手術です。簡単にその手術の概要および、信州大学医学部附属病院での稼働状況についてのご紹介をしたいと思います。
 ダビンチ・システムとは、ごく簡単に述べますと、腹腔鏡手術を人間の手と同様に自由自在に動く鉗かん子しを使用して、3D画像をみながら行う手術手技です。術者は専用のコンソール内で手術操作を行うため、手洗いをする必要性がなく、場合によっては遠隔操作も可能な手術支援装置です(図1、図2)。

 米国を中心に開発されましたが、その開発コンセプトは、将来の宇宙旅行(その場に医師がいなくても手術可能)、戦闘時の手術(前線に医師がいなくても手術可能。実際、本格的な開発が進んだのは、湾岸戦争の時のようです。)などでした。しかしながら、実際に臨床応用が進んでくると、通常の手術では術者が見えにくい部分、手が届きにくい部分、また、非常に細かい操作を要する部分の手術操作に非常に適していることがわかりました。

 現在では、骨盤内手術(泌尿器科の前立腺がん手術、婦人科の子宮手術、外科の大腸がん手術)や、消化管手術、呼吸器外科手術、甲状腺手術、心臓血管外科など、幅広く応用されるようになりました。既に世界的な趨すう勢せいとしては、前立腺がんの手術の主体がロボット支援手術となっております。本邦では、平成24年4月より前立腺がん手術においては保険収載になりましたので、急速に普及してきました。
 信州大学医学部附属病院では平成24年10月に導入されました。その後、実際の稼働にあたってのトレーニングプログラム、および病院内の倫理規定などの諸条件を満たす諸準備が行われ、本院のみならず、長野県内での実施としての記念すべき第一例目は、平成24年12月18日に施行されました(図3)。手術を受けた患者さんの経過は順調で、術後1週目で無事に退院されました。
 その後、順調に症例を重ね、平成25年4月19日の時点で11名の患者さんが手術を受けられました。
 現時点では、手術適応と判断された前立腺がんの患者さんを対象として、手術を施行しております。しかしながら、手術の特性上、以下の方は、当面、適応を見合わせております。
①腹腔鏡手術ですので、大きな腹部手術の既往がある方
②頭低位25度で手術が行われますので、緑内障などのために頭低位で眼圧が急激に上昇する方や、脊椎疾患などのために頭低位を長時間保つことができない方

 患者さんにとっては、侵襲の少ない治療であることは間違いないと思われ、適応範囲も徐々に広がってくると思われます。今後とも普及に努めたいと考えております。

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