てんかんに負けない地域を作る



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0263-37-3386(平日10時-16時)
長野県てんかん診療実施医療機関一覧

お知らせ

てんかん診療部門概要

てんかんは頻度の高い神経疾患で赤ちゃんからお年寄りまで全年齢で発症します。

しかし、てんかんは患者さんにとっても医療者にとっても難しい病気です。てんかんにはいろんな種類があり、なぜてんかんになったのか分からないこともよくあります。そして、気づかない内に人生の彩(いろどり)を大きく変えてしまう力がてんかんにはあります。
当院ではてんかんに困っている患者さん(または困っていることに気づいていない患者さん)が最新のてんかん専門診療にアクセスできる窓口になるために、てんかん専門外来を開設しています。
正確な診断、患者さん一人一人にあった治療や充実した社会生活を支援することを目的に4つの診療科(小児科、脳神経内科、精神科、脳神経外科)と関連部門(遺伝子医療研究センター、臨床検査部、放射線部、薬剤部、医療福祉センター)が連携して、てんかん診療を行います。また、国立大学病院として、てんかん専門医の育成や社会啓発活動にも尽力していきます。

受診方法

初診:医療機関からの予約制となっています。"かかりつけ医"を通して外来予約センターへ予約を入れてください。
再診:外来予約センターにて承ります
曜日:月、木の午後

外来予約センター(平日9:00~17:00)
電話 0263-37-3500
FAX 0263-37-3472

スタッフ紹介

福山哲広(小児科)
日本小児科学会専門医・指導医、日本小児神経学会専門医・評議員、日本てんかん学会専門医・指導医

金谷康平(脳神経外科)
日本脳神経外科学会専門医・指導医、日本小児神経外科学会認定医、日本脳卒中学会専門医、日本神経内視鏡学会技術認定医、迷走神経刺激療法(VNS)資格認定医

西岡 誠(小児科)
日本小児科学会専門医

星野優実(脳神経内科)
日本内科学会認定内科専門医、日本神経学会神経内科専門医

北原理恵(看護師・てんかん診療コーディネーター)

協力スタッフ
森田洋(脳神経内科)、小平農(脳神経内科)、高橋和史(精神科)、髙野亨子(遺伝子医療研究センター)、金子智喜(放射線科)、倉田淳一(臨床検査部 主任臨床検査技師)

てんかんとは?

てんかんは「てんかん発作」を繰り返し起こす慢性的な脳の疾患です。
自分の意思と関係なく脳神経の過剰な活動が起こり、様々な発作症状が引き起こされます。
パソコンがスイッチを入れていないのに勝手に動き始める状態に似ています。
てんかんの有病率は人口100人あたり一人ぐらいで、珍しい病気ではありません。てんかんの発症は幼少期〜小児期に最も多いとされますが、次いで、60歳を過ぎてからも多くなることが知られています。

治療内容

1.診断 1.診断 1.診断

1.てんかんの診断

てんかん診断は、まず「てんかんなのか、てんかん以外の症状なのか」を診断します。失神、心因性非てんかん発作、片頭痛、チック等の不随意運動はしばしばてんかんと間違われます。
次にてんかんの発作症状と病型の分類を行います。
てんかん診断には発作症状の問診がとても大事です。当院てんかん専門外来に初めてかかられた患者様には1時間以上時間をかけてじっくりお話を聞かせていただきます。どんな発作が起きたのかがとても重要なので、できるだけ「発作」を見たことがある方の同席をお願いします。また「発作」を動画に撮ってみせていただけると発作症状の様子がよく分かります。
更に脳波や頭部MRIなどの検査を行うことで診断の精度を高めていきます。

2.てんかんの検査

脳波検査

てんかん発作は神経細胞の過剰な活動による症状です。脳波検査ではその過剰な活動を確認することができます。起きている時と寝ている時の脳波を確認したいため、寝るのが苦手な方には睡眠導入剤を使用します。光刺激や過呼吸刺激をさせていただくこともあります。
また、患者様の状態によって、入院で行う「長時間ビデオ脳波検査」をお勧めさせていただくことがあります。

長時間ビデオ脳波モニタリング

長時間ビデオ脳波モニタリング検査(VEEG)は、入院して昼夜を通じ数日間脳波とビデオを同時記録する検査です。本検査で重要な目的は「いつもの発作」を記録することで、発作のビデオ記録(発作症候)と脳波記録(発作時脳波初見)を同時に解析することにあります。VEEGにより、①てんかん発作と非てんかん発作の鑑別、②てんかん発作の場合には、全般発作と焦点発作の鑑別、③焦点発作の場合、発作焦点の局在診断の助けになる有用な検査です。

頭部MRI検査

てんかんの原因の中には脳腫瘍や脳梗塞、脳の形成異常などがあります。これらを確認するためにMRIを行います。

血液検査

現在の健康状態を把握するために血液検査をすることがあります。また、抗てんかん薬による治療開始後には、肝機能障害や腎機能障害、貧血などの副作用の確認、薬物の血中濃度を確認するために行います。

遺伝学的検査

一部のてんかんでは遺伝子が関与して発症することが知られています。
患者様の状態によって、遺伝専門医の診察後に遺伝学的検査をお勧めすることがあります。

3.てんかんの治療

お薬(抗てんかん薬)で神経の過剰な活動を抑えると、多くの人で発作が起こらなくなります。
てんかんのタイプ、年齢、副作用の出やすさなどに配慮して、患者さんそれぞれに合った薬をオーダーメイドで選んでいきます。薬の調整にはしばらく時間がかかることもあります。また、残念ながら4割くらいの人では発作がお薬でおさまらず、その場合には手術などで治療することもあります。

また、てんかんの診療はただ発作を抑制するだけではありません。診療が長期間となることもあり、学校生活、運転免許取得、仕事、結婚、出産、施設生活など人生の様々な出来事に関わることになります。そのため、ただ、お薬を出すだけではない「包括診療」が重要になります。

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よくある質問

こんなこと感じていませんか?

てんかんかもしれないのですが、何科にかかればいいでしょうか?
中学生までの子どもであれば小児科(小児神経科)、高校生以上であれば、脳神経内科、脳神経外科、精神科で対応していただけます。発作が治まらない時、病気のことや生活のことで不安がある時は、てんかん専門医の診療を受けることをご検討ください。
こどもがてんかんと診断されましたが、治りますか?
こどものてんかんは、①時期がくれば自然に治るタイプ、②適切なお薬を飲めばてんかん発作が起きなくなるタイプ、③お薬だけでは発作が治まらない手強いタイプ、の3つに分かれます。どのタイプに当てはまるかが重要ですので、主治医に聞いてみましょう。もし将来が不安ならてんかん専門医の診療を受けることをご検討ください。
てんかんの薬を飲み始めたら眠気が強く、耐えられません。
薬の副作用の出方は個人個人で異なります。軽度の眠気なら飲み続けることで慣れてくることもあります。耐えられない程の眠気なら、減量するか別の薬に変更するかを検討した方がいいでしょう。主治医に相談してみてください。
てんかんが手術で治ると聞きましたが、私は当てはまりますか?
てんかんの手術は、適切な薬物治療を行っても十分な発作コントロールができない難治てんかん(薬剤抵抗性てんかん)の方に検討する必要性があります。てんかん外科手術は手術によって治る(または軽くなる)可能性と手術リスクを十分に検討しなければいけないため、長時間ビデオ脳波検査、頭部MRI検査、PET検査、知能検査などの様々な検査を受けて頂いた上で治療方針を検討致します。2021年より当院でてんかん外科手術を開始しており、当院で手術治療を受けることができます。適切な薬物治療を行っても発作がでる方や、薬による副作用でお困りの方は、てんかん外来で手術についてもご相談下さい。
てんかん手術はどのような手術がありますか?
てんかん外科手術には「根治手術」と「緩和手術」の2種類があります。「根治手術」とは、てんかんが電気生理的に始まる脳の場所(てんかん焦点)を特定し、切除する手術です。具体的には、内側側頭葉てんかんや器質病変が検出された部分てんかんなどが対象になります。次にこのような根治手術ができない患者さんには「緩和手術」を検討します。緩和手術には発作伝播を抑える半球離断術や、脱力発作・転倒発作に対する脳梁離断術があります。さらに迷走神経刺激療法という植込み型の電気刺激装置により頸部の迷走神経を刺激し、てんかん発作を緩和させるという治療法もあります。
このようにてんかん外科手術には様々な方法があり、患者さんそれぞれに適切な治療法を考える必要性があります。
てんかんがあるこどもでもスポーツはできますか?
てんかんがあってもほとんどのスポーツは可能です。親や学校の先生が心配だからといって、制限され過ぎているこどもがいますが、成長の機会を奪うことになりかねません。スポーツの危険度やてんかん発作の種類や起きやすさによって変わってきますので、主治医にご相談ください。
てんかん発作が起きた時との対応はどうしたらいいですか?
てんかん発作はほとんどが数分以内に治まります。いつもと同じてんかん発作であれば、怪我をしない様に見守ることが基本です。動きを無理に止めようとしたり、口の中に物を入れたりする必要はありません。発作のタイプによって対応方法は変わりますので、主治医と発作が起きた時の対応方法について話合っておきましょう。尚、目撃者の方が動画を撮影していただけると、後に診療方針を決めるのに役立ちます。
てんかんと診断されたら車の運転はできませんか?
てんかんがあることで一律に自動車運転を制限されることはありません。適切な治療を受けることで、一定の条件を満たすことができれば自動車運転は可能です。道路交通法で決まっていますので、主治医とともに確認しましょう。尚、てんかんではなくても、意識を失う病気を持っていれば、自動車運転を行うには一定の条件が必要です。
てんかんを持っていますが妊娠・出産はできますか?
てんかんを持っていても妊娠・出産は可能です。てんかんのお薬を服用しながら出産され、子育てをしている患者さんはたくさんおられます。妊娠前、妊娠中、出産前後、育児中で注意する点がありますので、主治医に相談してみましょう。
当院では産婦人科と協力しててんかんを持っている方の妊娠・出産を支援していきます。
就職試験の時にてんかんであることを告げるべきですか?
残念ながらてんかんであることを申告すると、仕事の能力や病気の状態に関わらず就職試験に通りにくくなることがあります。てんかん発作が職場で起きる可能性が極めて低い場合は必ずしも病気の申告をする必要はありません。しかし発作が仕事中に起きる可能性がある場合は申告した方がいいでしょう。その際、ただ病名を告げるのではなく、どのような発作なのか、発作が起きた場合の対応方法を正確に伝えましょう。また、主治医からの意見書を用意しておくことをお勧めします。
てんかんは長い治療期間が必要と聞きました。医療費が心配です。
自立支援医療費制度を使用すれば、外来での診察費、検査・薬の費用が原則1割負担に軽減できます。これはてんかんの治療を受けていれば誰でも利用できます。通院先は精神科だけでなく、小児科・脳神経内科・脳神経外科でも使用できますが、適用は指定自立支援医療機関に限られます。利用している医療機関で相談してみてください。
またてんかんの原因が特定の病気の場合や、ある特定のてんかん症候群の診断がついていれば、外来・入院の医療費の補助を受けることができます(小児慢性特定疾病、指定難病)。

そのお悩みご相談ください

相談フォーム

てんかんのあるご本人・ご家族、一般および医療関係の方からの、てんかんの診療や支援に関するご相談には当フォームをご利用ください。

ご注意
個々人の医療に関しましては、診察し、検査などによる情報を得て初めてお答えできます。そのため、当フォームでのご相談へは一般的な回答となります。
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