研修医の日常と目標

当科で扱う疾患は、胸部および消化器悪性腫瘍、血液疾患(悪性リンパ腫、多発性骨髄腫など)、頭頸部悪性腫瘍、および各種肉腫や原発不明がんなどです。
当科では、専門医修得に必要な基本的な手技、中心静脈カテーテル挿入、胸水・腹水穿刺やドレナージチューブ挿入、骨髄穿刺、腰椎穿刺といった手技は日常的に行っており、疼痛管理用の神経ブロック等も経験、研修可能です。当科で経験できる医療手技は臓器専門領域と遜色ないと思ってください。

カンファレンス

毎朝のカンファレンスで受け持ち患者のプレゼンテーションを行い、病態の把握および診断・治療方針の組み立て方について論理的思考の構築や問題点の抽出を行いながら研鑽を積みます。

診療

その後指導医を交えた診療行為を通じて知識経験を深めます。

外来

通院治療室で外来患者の診察・治療も重要な研修の場と位置付けています。外来という医療面接や身体所見において、見落としなく患者の診療にあたる研鑽も重要だからです。

カンファレンス

夕方には他科との症例カンファレンスを通じて患者情報の共有、より適切な治療へのアドバイスの意見交換ができるよう指導しています。

教室の目指す医師像

単に症例をこなすのではなく、しっかりとした病歴の聴取と身体所見の把握が重要であり、得られた情報から何を考え、どのように鑑別診断を行い、対処するかという基本姿勢を学べるように指導しています。

当科では、がん薬物療法および緩和医療の基本を学習・指導しながら担がん患者に対して総合内科的な立場で内科的マネージメントの習得を目指しています。

高度な専門的医療が必要とされる症例に遭遇した場合、専門医へ適切なコンサルトができるように指導しています。研修医には一つひとつの症例を丁寧に診て、疾患の本質を究めていく体験を通し、興味を深めるとともに、責任をもって担がん患者を最後まで診る厳しさを体験してもらいたいと考えています。

これからの皆さんにとって、新・内科専門医制度はこれまでに比べて大きく変わります。当大学病院もこの新制度にもいち早く対応しており、新・内科専門医資格を円滑に取得できるよう、関係する学内の内科学教室などと密接に連携して、効率的でかつ柔軟なプログラムを工夫しています。

腫瘍内科および緩和医療は一般市中病院でも多くの症例の経験をできるとは思いますが、大学病院では指導スタッフが充実し、また研究体制も整っており、ここでしか学べないこと、経験できないことが数多くあります。当科のスタッフは「リサーチマインドを持った若手医師を育てることが何よりも大切である」という考えのもと、若いドクターを指導しています。教室の姿勢に共感していただける多くの方々に加わっていただきたいと思いますので、お気軽に見学またはメールなどでご相談ください。

女性医師の皆様へ

当教室には多くの女性医師がスタッフおよび教室員として活躍しています。それぞれのライフサイクルに合わせた勤務体系ですので、子育てをしながらでも医療に携わり、医療活動をすることが可能です。

通院治療室(外来診療)のみといった勤務体系も可能ですので、職場復帰や入局を考えている方は気軽に相談してください。