【プレスリリース】 高齢心不全患者のフレイル領域の数が再入院や死亡のリスクを高める ~フレイルの多面的な評価が患者の経過予測に重要~
信州大学医学部附属病院リハビリテーション部山本周平 主任理学療法士、同循環器内科山崎佐枝子 助教(現、まつもと医療センター循環器内科医長)と順天堂大学大学院医学研究科循環器内科学の末永祐哉 准教授、葛西隆敏 准教授らの共同研究グループは、65歳以上の高齢心不全患者におけるフレイル(加齢とともに身体、認知機能が弱まり、社会活動が減り、不健康を起こしやすい状態)領域の数と再入院や死亡といった複合エンドポイントとの関係を明らかにしました。本研究では、国内15施設におよぶ大規模観察研究を行った結果、運動機能の低下(身体的フレイル)、独居や社会的な孤立(社会的フレイル)、認知機能低下といった3領域の「フレイル」のうち複数を伴っていることがその後の再入院率や死亡率などのリスクを高める事を発見しました。本成果は、従来、再入院や死亡を予測するのが難しかった高齢心不全患者に対し、フレイルを多面的に評価することが患者の経過予測に重要であることを示しました。本論文はEuropean Journal of Heart Failure誌のオンライン版に2020年6月6日付で公開されました。 <本研究成果のポイント> ・国内15施設を含めた大規模観察研究を実施 ・身体的、社会的フレイルおよび認知機能低下の3つの領域が存在すると複合エンドポイントのリスクが約2倍となる ・フレイルを多面的に評価することが高齢心不全患者の経過予測に重要 図1:本研究で明らかになった多領域フレイルの合併率と、複数領域のフレイルを合併する事が心不全再入院または死亡に与える影響 65歳以上の入院を要した心不全患者の多くは身体的フレイル、社会的フレイル、認知機能低下を合併しており、その3つが多く重なっていればいるほどその後の心不全再入院および死亡の危険性は増す。 プレスリリースの内容につきましてはこちらをごらんください。 https://www.juntendo.ac.jp/news/20200619-03.html/