センター長 | 堀内 哲吉 |
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副センター長 | 花岡 吉亀 |
脳血管内治療センターは、最新の脳血管内治療の実施ならびに脳血管内治療の普及と発展を目指して、平成22年4月に新たに開設されました。 当センターにおいては、最新の技術や機材を用いて最高レベルの脳血管内治療を実施するとともに、治療困難例等に対する適応の拡大や成績の向上に向けた 脳血管内治療技術や器材の創出を行っております。 更に、脳血管内治療の安全性の向上に向けた研究、脳血管内治療の普及に向けた関連診療科間ならびに病院間における体制の整備ならびに脳血管内治療専門医・ 指導医の育成も行っています。
低侵襲
脳血管内治療
脳血管内治療は、開頭(かいとう)する代わりに手首や鼡径(そけい)からごく細いカテーテルを頚部や頭蓋内の血管まで挿入して、血管の中から脳の血管の疾患を治療する手術法です。治療に使用するカテーテルや器材の改良と技術の進歩に伴い、これまでの開頭手術では治療が困難であった様々な疾患に治療の可能性が拡がっています。 脳血管内治療は、大きく分けて異常血管を血管の中から塞ぐ「塞栓術」と、狭くなった血管を拡げる「血行再建術」があります。「塞栓術」で治療できる疾患としては脳動脈瘤、動静脈奇形と動静脈瘻があります。また、開頭手術で脳腫瘍を摘出するのに先立って脳腫瘍に血液を送っている血管を塞いで手術をやり易くする“術前塞栓術”も行っています。脳動脈瘤のコイル塞栓術では、動脈瘤を塞ぐ際にコイルが大切な血管にはみ出る事を防ぐステントや、コイルさえも使用せずに動脈瘤を血栓化させるフローダイバーター(パイプライン)など、最新の技術や器具を導入して治療しています。動静脈奇形や動静脈瘻にはOnyx(オニックス)を用いた塞栓術を行っています。「血行再建術」では頸動脈狭窄症に対してステントを用いた拡張術を行っています。また頭蓋内の脳動脈狭窄症に対してもステントを用いた拡張術を行っています。信州大学脳神経外科は脳動脈瘤などに対する開頭手術では世界でもトップレベルの技術と実績を持っていますが、脳血管内治療でも開頭手術に劣らない先進的かつ低侵襲・安全な治療を行っております。
さらなる低侵襲性の追求
超低侵襲
経橈骨動脈治療(手首の血管からの治療)
2016年から、低侵襲性を追求し、脳血管内治療を手首の血管から行うことを積極的に行っています。心臓領域の血管内治療では、手首の血管から治療を行うことで、術後の安静時間が短くすみ、穿刺部に仮性動脈瘤が出来てしまうなどの合併症が減少することが常識になっています。2019年現在、信州大学の脳血管内治療の75%は手首の血管から治療しています。この治療法により患者さんの負担がさらに少なくなっています。
セカンドオピニオン外来のご案内
https://wwwhp.md.shinshu-u.ac.jp/outpatient/secondopinion.php